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日記 |
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2015年12月
魚のフライが良いなと魚屋さんの店先を眺めれば、都合よく豊富な品揃え。まず眼に留まったのは「鯵」。ふっくら大きくて、傷の無いキラキラした姿は釣り鯵だからこそ。それから、小さいながらもふくよかな「鱚」もお薦めとのことで、この2種類を選びました。鯵は大きかったから三枚に卸して半分に切り、鱚は背開きにしました。あとは、いつものフライの手順で、塩とこしょうで下味をつけてから、小麦粉をはたいて卵にくぐらせて生パン粉をまぶします。生パン粉のほうが、乾燥パン粉よりも揚げ色がつくのに少しかかりますが、今日の魚は身が厚いから揚げすぎて身がパサつく心配も無さそう。太白油は高めの温度に温めて、短時間で色よく仕上げればフワフワな身質になります。モルトビネガーやとんかつソースを軽くつけながら。オーストラリアのスパークリングワインをあわせたら、リラックスした食卓となりました。
「出汁」は昆布やチキン、煮干し、かつお節等、季節やお料理によって使い分けています。どれも、それぞれ良さがあるというわけです。この冬頻繁に使っているのは、かつお節と鯛のあら出汁。あら出汁は魚屋さんによいものが有ったときのみなので、かつお出汁が強い味方です。今まで使っていたかつお節は風味が少々強すぎて、季節や使い方によっては、出汁が際立ち過ぎてしまうことが懸念でした。最近使いはじめたものは、出汁の色が今までよりも淡く、風味も穏やか。他の食材や調味料とあわせると見事なハーモニーが作られて、良い仕事をしている出汁という印象です。かつおの旨味が見事な隠し味となって、調味料を多く使わなくても味が決まり、あと味が良くて胃も疲れないところは嬉しい限り。良い食材を使うということは、そういう利点も有るのです。このかつお節のお陰で、かつお出汁を使った和食熱が再燃。久々のおせち料理づくりに向けても良い傾向です。
お寿司を初めとして、お刺身とご飯の組み合わせは数知れず。お刺身の種類やご飯のテイストで、無理せず納得できる組み合わせが幾つもできてしまうのがおもしろいところです。お刺身のときには必ずお酒をわせるので、鯛のお刺身を少し残しておいて、ひと口、ふた口の〆ご飯に使うのもよい方法。何かと慌ただしい師走ですが、日々の食卓は変わらずゆったりと、リラックスした時間を過ごしています。
冬になると、緑が濃く食欲をそそる姿の青菜が店頭に並びはじめます。茹でても炒めても美味しいものが多く、毎日何かしら青菜の類が食卓に並びます。夏はみずみずしくてさっぱりした喉を潤すような野菜が多く、またそういったものを求めますが、冬は噛めば噛むほど味のあるような奥深い味の野菜が多くなる気がします。
あえものと違って時間が経つと味が馴染んでよい具合になるお浸しは、ゆっくり食事をしたいときには打ってつけの一品。一つずつ下ごしらえして合わせるところはあえものと変わらないけれど、食材によっては時間が経つと水っぽくなってしまうあえものと違い、こちらは悠長に構えていられます。季節ならではの食材を使ったお料理を並べて、気ぜわしいときにこそ、ゆったりした食事の時間が必要です。
一汁三菜とあるように、献立には汁物があると落ち着いた食卓になります。たとえ暖房のきいた室内であっても、冬には温かい汁物があると身体が芯から温まることを実感し、ほっとするものです。とろみをつけたり、生姜やにんにくを隠し味にしたりと、他の季節よりもさらに身体が温まるように工夫をします。
今夜は牛肉を焼いて食べようかと思ったときに、牛肉屋さんの店頭に並んでいたら、まず買うのはシンシンという部位。小ぶりの部位なので、美味しい牛肉を少しだけ...というときには、こちら。赤身で味が濃くて柔らか、脂もまったく無いわけではないので、少しでも満足できる牛肉です。お米は土鍋で炊きあげて、夏は熱がこもる土鍋も冬には暖かさが伝わってきて一石二鳥です。